入門養生法

米飯健康法(1)
お米で健康にも病気にもなる

農耕民族の日本人は数千年の長きにわたってお米を主食としてきました。縄文土器でお米をグツグツ煮込んで、体内に熱エネルギーとお米の芯のエネルギーを取り入れて、寒さや病気に負けないからだを作ってきました。時代はさかのぼって、囲炉裏(いろり)や釜戸(かまど)でご飯や野菜をコトコトじっくり煮炊きしていた時代も長かったのです。古代人の食養(食事でからだを養う)と同じでした。

ひるがえって現代人の食事は急激な変化と飽食で豊かになったように思われますが、食養とはならずかえって病人あるいは半病人を作り出してしまいました。たとえばファーストフード、コンビニ食は現代人のスタイルにマッチしていますが、この原型は江戸時代に流行した寿司、天ぷらといったものでした。江戸前寿司と天ぷら、調理も簡単、食べるのも簡単、なおかつ美味しいときて、たちまちのうちに気の短い江戸っ子の人気メニューになりました。いわば江戸庶民のスナックフードだったのです。

ファーストフード、コンビニ食を美味しく感じ主食になっている人もいるかもしれませんが、その味の濃さ、調味料の多さで美味しいと錯覚している場合がほとんどなのです。お米も脇役に追いやられ、ご飯で元気になるというお米本来の役割はすっかり忘れ去られています。

一昔前には炊き立てのアツアツのご飯とお味噌汁が主役で、おかずはお漬物にめざし、納豆が加わればそれこそ贅沢だった時代もあったのです。今のご飯の人気メニューはチャーハン、グラタン、ドリア、カレー、ピラフ、カツどん、牛丼……どれもこれもお米本来の美味しさなどどこへやら。舌触りのよい味付けやタレでご飯を流し込んでいる有様です。

ハンバーグ、焼肉、ステーキなどのおかずが主食で、ご飯は申し訳程度のパサパサ飯(めし)がレストラン街の多くのメニューになっています。ここでもおかずが主役で、かりに子供の頃からこれらのおかずの味覚に慣れてしまうと、本能的な味覚が身に付いてしまいます。大人でもいったんしみこんだ味覚はなかなか変えられません。

テレビをつければ、タレントを使った試食大会や食べ歩きの旅、行列のできるお店の紹介……これ見よがしにいかにも美味しそうに視覚に訴えてくる番組からも少なからず影響を受けている現代の日本人の食生活。しかしこのような飽食時代にあって、もろに影響を受けているのが子供達で、アトピー性皮膚炎、喘息、肥満や虫歯、生活習慣病の低年齢化が進んでいます。バブルの頃の子供達は今や大人になり、そのお子さん達も親と同じ食習慣を身に付けようとしています。

大人達は食生活の乱れから、ただでさえ加齢と共に減少する腸内有用菌がますます減るいっぽうで、ホルモンバランスがくずれ、免疫力が低下し、女性では乳ガン、男性では前立腺ガンが増えています。

お米そのものを見直そう!

少し前に「ダイエットしたければご飯を食べよう」と唱えた人がいました。急激に欧米化した食生活で肥満してしまった悩める女性に伝統的な和食をすすめたのでしょう。

血や肉になり丈夫な体になるという栄養学を鵜呑みにし、高タンパク高カロリー食の過食でかえって胃腸に負担がかかり病弱になったり、肥満とは反対に痩せてしまったサラリーマンの方もいることでしょう。そこでわたしは「元気に太りたければお米そのものを食べよう」と唱えたいのです。

栄養学の輸入で日本人のほとんどの方がビタミン、ミネラル、たんぱく質といった栄養素にとらわれています。学校給食や病院食ではカロリー計算まできっちり計っています。普通の人でもビタミンC入りのジュース、ビタミンE入り錠剤、ミネラル飲料水を飲み、それでも健康に不安な人はローヤルゼリーや朝鮮人参入りの栄養ドリンクなどに頼ろうとしています。

栄養学にのっとり、また健康食品やサプリメントを加えてもはたして根元的に元気になったかの疑問なのです。元気になれた人はいいのですが、もともと飽食の環境下で食べるものには事欠かない現代にあってはほとんどの方が食べ過ぎと偏食で胃腸が弱っていますので、栄養は身に付かず逆に胃腸を傷めてしまっている場合が多いのです。

東洋医学では、栄養の“栄”はからだにエネルギーをつけ、すぐに元気のつく食べ物ののことで“養”はからだを奥のほうから養う力が非常に強いもののことです。ファーストフード、コンビニ弁当、レストランの料理、毎日の食卓のおかず、市販のビタミン剤や栄養ドリンクなどが果たして“栄”なり“養”になっているかはなはだ疑問なのです。

本当の意味で“栄養”といえるものは、からだが元気ではつらつとして働くためのエネルギーである“元気の素”のことで、これは穀類からしか摂れないものなのです。古代人は野菜や魚介類、動物肉も食べてはいましたが、それらはあくまで補助的な栄養でしかなく、また常時取れていたわけではないのです。過酷な環境下でも人間は保存に適した穀類を食べて生き延びてきた歴史があります。

農耕民族の食生活の基本になっていた穀類こそ、生きていくための根元的なエネルギーを与えてくれていたのです。漢方でもお米は、「天地のバランスのとれた気を得ていて、五臓の調和をはかる」としていますし、元気をつけ胃腸を丈夫にするとも言われています。

日本人の食生活の中心は、遠い昔から穀類がになってきました。穀類の代表であるお米は日本の風土と日本人の食性に合った食生活の基本でした。肉や卵を食べれば元気になるという思い違いに気付き、脇役に追いやられているお米をしっかり食べ、おかずとしてはやはり元気の素になる豆や芋、種実をとり入れる食生活に戻してみましょう。

食卓に並べるおかずに毎日頭を悩ましている主婦の方、出産や育児を期に食生活を見直したい主婦の方、ご主人や育ち盛りのお子さんを含め家族全員の健康を気遣っている方、昨今の狂牛病や鳥インフルエンザで食に不安を感じている方すべてに、ご飯を主食としたいわゆる粗食をおすすめします。お米の調理のし方も大切です。お米の芯のエネルギーを出す調理方法でないとせっかくのお米のエネルギーが体内に入ってきません。


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