入門養生法

米飯健康法(2)
現代人の胃腸は疲れきっている!

みなさんは毎日の食事をどのように摂っていらっしゃいますか? 

1美食つまり舌や口、喉越しの美味しさだけで食事を楽しんでいる人
2ダイエットあるいは太るためにあれこれ頭で考えながら食事をしている人
3糖尿病や高血圧などの成人病で食事制限を受け好物を我慢している人

最初のケースは前回少し触れましたが、食欲は人間の生きるための二大本能の一つですし、食欲に美食が重なればその習慣は悪いと思ってもなかなか断ちきることはできません。「食べる楽しみがない人生などなにものぞ!」ごもっともなご意見です。飢餓で苦しんでいる国でなく、食べるものに事欠かない日本に生まれてきて本当によかったですね〜。好きなものをいつでも好きなだけ食べることができて幸せですね〜。

「近くにハンバーグ定食の美味い店を見付けたぞ」
「あそこのラーメンと餃子は絶品!」
「今度できた回転寿司はネタも新鮮シャリもしっかりしていて値段もお手頃よ。しかも女性にはデザートのサービス付きよ!」
「さー中華のバイキングに行くぞ〜。今日はパパのおごりだ。何でも好きなものをたらふく食べていいぞ〜」
「母上へ。最近のコンビニ弁当は品揃えが豊富で味もよくなり、食事の心配はいらないくらい便利になりました。チンして温めてもくれます」

しかし味覚と食欲に満足した後の胃と腸もはたして喜んでいるでしょうか? 胃もたれ、むねやけ、酸っぱいゲップなどがあれば胃は喜んでいません。臭いオナラやウンチ、便秘や下痢などがあれば腸も喜んでくれていません。それでも味覚と食欲にそそられて毎日好きなものを食べ続けるとどうなるでしょうか? 賢明な読者にはもうおわかりになると思いますが、胃と腸は疲れ、ストレスにさらされるようになります。

付け加えるとすれば、電子レンジの問題点でしょうか。現代の必需品になってしまいましたが、土器から発達した土鍋、石鍋と比べると歴史も浅く、決して養生にはならない調理器具の代表です。調理に手間がかからず、料理の再加工には便利ですが、食物の細胞を破壊し異常に変質させてしまっていることに気付いている人は少ないと思います。

読者の中には、魚や野菜の入った土鍋にアツアツに焼いた石を入れて作る「漁師料理」を食した方もいるかもしれません。手間がかからないという点では電子レンジと何ら変わりはありません。しかし美味しさの差は歴然としています。そして胃と腸はどちらの料理を喜ぶでしょうか? 

胃腸の消化吸収ということから考えればストレスはよくないことはおわかりでしょうが、「あれを食べなくちゃ」「これを食べなくちゃ」「これとあれはがまんしなくちゃ」といった気持ちのまま食事をしたのでは、やはり胃腸は喜んでくれませんし、消化吸収も当然損なわれます。これは冒頭に挙げた2と3の食事法の問題点です。ストレスによるイライラでついつい好物をパクパク食べてしまうと1の美食の弊害も加わります。

神経性胃炎という病名があるように、胃は神経に大きく左右されます。ほんのささいな心配事でも胃の働きは鈍りますが、「あなたは胃潰瘍です。胃がんになる心配もあります」と医者に言われ、患者はその言葉にショックを受けてしまい悩んだ挙句、本当に胃がんになっていまったという笑うに笑えない事実もあります。

学生さんなら試験当日、サラリーマン諸氏なら年末年始の多忙な時期に便秘と下痢を繰り返す人がいるかもしれません。ストレスを受けた胃はキュッと縮み上がり、胃酸の出も悪くなります。そうすると食物は未消化のまま腸に送り込まれます。腸はいつもの消化された食物がこないのでビックリしてつむじを曲げて本来の役割であるぜん動運動をストップしてしまいます。これが便秘で、たとえ便が出たとしてもコロコロの便しかでなくなります。無理に便を出そうとするとますます腸はつむじを曲げてしまいます。力むと痔にもなります。高血圧が心配な方は、トイレで長く踏ん張るのも危険を伴います。

便秘になると、腸内細菌の悪玉が繁殖をはじめます。すると腸はまたまたビックリして、おのれをまもるために繁殖した悪玉菌を出そうと、無理にぜん動を行なおうとします。これが下痢で、多分に神経性のものがあります。ストレスが続けば、この便秘と下痢を繰り返すことになります。しかしたとえストレスがなくても、番の美食で暴飲暴食を続けていけば腸内では悪玉菌の餌となるので、下痢に見舞われやすくなります。さらに悪玉菌は腸内繊毛にストレスを与え、繊毛を傷つけ、ぜん動運動を正常に行なえなくなり便秘にもなりやすくなります。

便秘や下痢を繰り返すとますますイライラが募ることもあるでしょう。こんな時には断食でもして胃腸を休ませてあげるのがいいのですが、何はともあれ「食べなくては!」という強迫観念じみたものにとらわれている多くの現代人はますます悪循環に陥ってしまいます。傷ついた腸内繊毛にとっては、もう一つの大切な役割である毒素を防ぐ免疫能力の低下にもつながります。免疫力の低下がガンになる大きな要因であることは最近の医学会でも常識になっています。

胃腸を元気にするのはご飯から―胃腸をいたわるご飯料理 

このように、「たかが便秘や下痢で死ねるか!」とおおみえをきることができないことがご理解いただけたら幸です。長年の食習慣で身に付いた味覚を変えるのは難しいかもしれませんが、まずは胃と腸が喜ぶ料理から始めることが、現代人の抱えているさまざまな症状を取り除く第一歩になるのです。

お米の重要性は前回お話しましたが、お米本来の美味しさが失われたことにも美食に走ってしまった原因がありそうです。年配の方には、昔ながらのお米、ふっくら、かまどご飯の美味しさを覚えている人もいることでしょう。

一粒一粒のお米が立ち、芯まで熱が通りふっくら、噛めば噛むほど美味しくなり、香ばしいおこげも懐かしい人もいることでしょう。今はお米の銘柄にこだわっている人もいるでしょうが、炊き方にもこだわってほしいものです。ご飯だけでなくお粥も本当に美味しく炊き上げるカマドナベを見直してみましょう。

ご飯とお粥がなぜ大切なのでしょうか? それは後天の元気のみなもとである脾胃を丈夫にしてくれるからです。ご飯やお粥でお米本来の美味しさを味わうと胃腸(脾胃)はたいへん喜んでくれます。胃腸が喜べば神経はリラックスし免疫力も高まります。美味しい炊き立てのご飯やお粥を食べて「幸せだな〜」と感じられるようになってから本当の健康が手に入るのです。

健康造りの基本であるご飯とお粥の料理がしっかり身になってからはじめて他の料理も考えていくべきなのです。料理の基本であるご飯とお粥がしっかり炊けるようになった後の料理については改めて述べようと思っております。

1番の食生活つまりおかず中心の、それも弊害の多い現代の料理からそろそろ卒業しましょう。


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